超高齢化社会の到来による認知症患者の増大が社会問題になりつつあります。
認知症になると、銀行口座が凍結されたり不動産の売買などの法律行為ができなくなりますが、こうした事態に備える手段として、近年「家族信託」が急速に注目されています。
中でも多くの方が比較対象とするのが、全国展開している「おやとこ」と「ファミトラ」です。
とはいえ、
「どちらが安いのか」
「対面相談はできるのか」
「どちらが自分に向いているのか」
といった点は、公式サイトだけでは分かりにくいのが実情です。
この記事では、「おやとこ」と「ファミトラ」を費用・商品設計・面談方法・対応エリア・アフターサービスなど数多くの視点から比較し、どんな人にどちらが向いているのかを整理、提案します。
おやとこ・ファミトラ 費用面の比較
「おやとこ」と「ファミトラ」どちらも低価格には自信を持っているようです。
「おやとこ」は、12.1万円(税込)からの低価格をうたい、「ファミトラ」は、独自のシステムの力で効率化を図り低価格化を実現したと宣伝しています。
両者の料金面での大きな違いは、「おやとこ」では信託契約書作成費用を6万円~としているのに対し、「ファミトラ」では16.5万円~33万円としている点です。
その差額が両者の初期費用の差額となって表れています。
一般的な信託契約書作成費用は11万円~33万円程度と言われています。
また、初期費用の他に継続費用がかかる仕組みになっています。
継続費用を支払う対価としてのサービス内容にも、両者で違いが見られます。
初期費用の比較
「おやとこ」ではコンサルティング費用と信託契約書作成費用が割安に設定されていて、総じて「ファミトラ」よりお安くなっています。
参考までに、宮田総合法律事務所(東京都)の場合を付記しました。
所長の宮田浩志先生は、家族信託に関する書籍を数多く出版されていて、私も複数購入し勉強させて頂きました。
具体例①金銭2000万円を家族信託する場合の標準的な初期費用
| おやとこ | ファミトラ | 宮田総合法律事務所 | |
|---|---|---|---|
| コンサルティング費用 | 220,000円 | 330,000円 | 385,000円 |
| 信託契約書作成費用 | 60,000円 | 150,000円 | |
| 公正証書作成費用 | 23,000円 | 23,000円 | 23,000円 |
| 合計 | 303,000円 | 503,000円 | 408,000円 |
※ファミトラには、スタンダードプランとライトプランがあります。ここでは他社とできるだけ同条件で比較するためスタンダードプランで計算。
※宮田総合法律事務所では、コンサルティング費用・信託契約書作成費用に公証役場への立合い費用や契約後のアフターフォロー費用を含みます。おやとことファミトラの上記初期費用には、公証役場への立ち合い費用は含んでいません。
※宮田総合法律事務所では、東京都以外にお住いの依頼者が出張面談を希望する場合、所定の出張料金がかかります。
具体例②不動産5000万円を家族信託する場合の標準的な初期費用
| おやとこ | ファミトラ | 宮田総合法律事務所 | |
|---|---|---|---|
| コンサルティング費用 | 550,000円 | 550,000円 | 539,000円 |
| 信託契約書作成費用 | 60,000円 | 150,000円 | |
| 登録免許税 | 175,000円 | 175,000円 | 175,000円 |
| 登記代行費用 | 80,000円 | 80,000円 | 80,000円 |
| 公正証書作成費用 | 29,000円 | 29,000円 | 29,000円 |
| 合計 | 894,000円 | 984,000円 | 823,000円 |
※登録免許税は、税率を0.35%としています。
※ファミトラには、スタンダードプランとライトプランがあります。ここでは他社とできるだけ同条件で比較するためスタンダードプランで計算。
※宮田総合法律事務所では、コンサルティング費用・信託契約書作成費用に公証役場への立合い費用や契約後のアフターフォロー費用を含みます。おやとことファミトラの上記初期費用には、公証役場への立ち合い費用は含んでいません。
※宮田総合法律事務所の場合、東京都以外にお住いの依頼者が出張面談を希望する場合、所定の出張料金がかかります。
継続費用の比較
| おやとこ | ファミトラ | |
| 月額料金 | 2,728円(税込) | 1,628円(税込) |
|---|
継続費用がかかるのは、「おやとこ」と「ファミトラ」の特徴の一つです。
どうして継続費用がかかるのかについて、トリニティテクノロジー(株)取締役の大谷真史さんがインタビューで語っていらっしゃいます。
ーー初期費用だけではなく月額料金(2,728円税込)もかかるのはなぜですか?
大谷:財産を預かるお子様など受託者には明確ないくつかの義務が法律上課せられます。
その中で一番大きなものに記帳、つまり何にお金を使ったか書いておきましょうだとか、レシートを取っておきましょうだとか、年に一度確定申告しましょうだとかといった義務が課せられます。
これをしなければ法律違反になってしまいます。
ですから、少なくとも最初の1年間だとか一定の期間は我々の方でちゃんとサポートさせていただいて、これらをしっかりと行っていただくというところまでサポートさせていただきたい、という思いを込めてマスト(必須)にさせていただいております。
引用:「おやとこセミナー」(2024年5月10日)トリニティ・テクノロジー㈱取締役COO兼CTO大谷真史氏

どちらも家族信託の運用⽅法・不動産の処分・税務・相続対策など、契約後のお困りごとを幅広く相談できます。
また、どちらもスマホで簡単・便利に信託財産の管理ができる専用アプリを提供しています。
公表されている体験談や口コミを総合すると、
「おやとこ」では、専用アプリが使いやすく便利だ、とするコメントが多く、
「ファミトラ」では、信託監督人が受託者(主に子)に無償でつくことで、受託者(主に子)の不安を取り除いてくれたり、受託者(主に子)が委託者(親)の意に反する行動をとっていないか半年に1度チェックしてくれるので安心だ、とするコメントが多いです。
おやとこ・ファミトラ コンサルティングの比較
面談方法の違い
| おやとこ | ファミトラ | |
| 面談方法 | 訪問面談、来社面談、オンライン面談 | スタンダードプラン:訪問面談、来社面談、オンライン面談 ライトプラン:平日オンライン面談 |
|---|
- 「おやとこ」は、自宅、喫茶店、本社・支社での来社面談、オンラインなど依頼者の都合により選択することができます。
- 「ファミトラ」は、スタンダードプランとライトプランで面談方法が違います。
スタンダードプランの場合は、訪問面談、来社面談、オンライン面談の選択が可能。
しかし、訪問面談については、(株)ファミトラは全国の拠点数が4つしかないため訪問面談を享受できる方はとても限られています。
ライトプランは、価格を抑えた分、平日オンライン面談のみとなっています。
コンサルティングの懇切・丁寧さ
コンサルティング時の説明の懇切・丁寧さについては、評判・口コミによると、両者とも評価が高く、優劣はないと思われます。
おやとこ・ファミトラ スピードの比較
通常、家族信託の組成には最低で1カ月以上、2~4カ月程度かかるのが普通です。
しかし親の物忘れが激しく認知症が疑われる場合は緊急を要します。
判断能力が失われると銀行口座は凍結され、家族信託もできません。
おやとこは、「お急ぎの場合は、最短2週間でお手続きを済ませることが可能です」と標榜しています。
おやとこ・ファミトラ 対応エリアの比較


左図はおやとこ、右図はファミトラの拠点のある都道府県を色別
| おやとこ | ファミトラ | |
| 本社 | 東京都港区新橋2-1-1 山口ビルディング1階 | 東京都港区赤坂1-14-14 第35興和ビル5F |
|---|---|---|
| 支店・営業所 | 福岡支社 長崎支社 熊本支社 大阪支店 仙台支店 静岡支店 水戸支店 愛知支店 横浜支店 札幌支店 富山支店 広島支店 高松支店 | 横浜営業所 大阪営業所 福岡営業所 |
「おやとこ」「ファミトラ」どちらも、日本全国を対応可能地域としています。
拠点数は、おやとこが14、ファミトラが4。
おやとこは、2024年から25年にかけて新たに長崎、熊本、広島、札幌、富山、 高松に支店ができて対応エリアが広がりました。
特に高齢者は家族信託のしくみが難しく、説明・説得には時間と根気が必要です。オンライン面談でも十分理解できる方も多い一方で、対面のほうが理解が進みやすいケースもあります。
おやとこ・ファミトラ どんな人に向いている?
家族信託を検討する際、多くの方が迷うのが「どのサービスを選べばよいのか」という点です。
全国展開している代表的なサービスである「おやとこ」と「ファミトラ」は、商品設計や重視している価値観が異なります。
「おやとこ」が向いている人
- コスト面を重視し、できるだけ安く抑えたい方
- 初期費用の総額を最初に把握したい方や費用が後から増えていくのを嫌う方
- 親が高齢で、訪問面談など対面での丁寧な説明を重視したい方
- 認知症の進行などにより、できるだけ早く信託を組成したい方
- 契約後は、アプリを使って効率よく財産管理しながら相談にも応じてもらいたい方
「おやとこ」は、コスト面で優れ、商品設計がシンプルで、ワンプランのみ。
何にいくらかかるのかが分かりやすく、スピード感を重視する家庭に向いています。
では、おやとこの評判は?

「ファミトラ」が向いている人
- 子が受託者になることに不安があり、第三者である信託監督人にチェックしてもらいたい方
- オンライン面談中心でも問題なく、効率性を重視したい方
- 契約後は、アプリを使って効率よく財産管理したい一方、継続費用を安くあげたい方
- 訪問面談の必要がなく、オンラインだけですべての手続きを終わらせたい方(ライトプラン)
「ファミトラ」は、信託監督人が無償で付く点が大きな特徴で、「子に財産管理を任せきるのが不安」という家庭には安心材料となります。
家族信託はどんな人が利用すべきか
家族信託は万能な制度ではありませんが、特定の状況では非常に有効です。
特に、次のような方には利用価値が高いと言えます。
- 高齢の親が多額の預貯金や不動産を保有している
- 将来、認知症になる可能性に備えて、財産凍結を避けたい
- 不動産の売却や建替えなど、柔軟な資産運用を将来も続けたい
- 成年後見制度を使うことに抵抗や不安がある
一方で、
- 財産がほとんどない
- 相続関係が単純で、家族間の信頼関係も強い といった場合には、遺言書だけで足りるケースもあります。
重要なのは、「流行っているから」「勧められたから」ではなく、自分の家庭の課題を解決できるかどうかという視点で判断することです。
おやとこ・ファミトラ 比較一覧
| おやとこ | ファミトラ | ||
| スタンダードプラン | ライトプラン | ||
| コンサルティング費用 (信託財産評価額×) | 1億円以下:1.1% 1億円〜3億円:0.55% | 3,000万円~1億円:1.1% 1億円〜3億円:0.55% 3億円〜5億円:0.33% | ①現金のみ1,000万円以下の場合:110,000円 ②現金のみ1,000万円~3,000万円、または現金+自宅不動産1,000万円以下の場合:220,000円 ③現金+自宅不動産1,000万円~3,000万円の場合:330,000円 |
|---|---|---|---|
| 最低料金 | 121,000円 | 330,000円 | 110,000円 |
| 信託契約書作成費用 | 6万円~ | 16.5万円~33万円 | 16.5万円~33万円 |
| 割引 | なし | なし | なし |
| 着手金 | なし | あり | あり |
| 信託財産金額の上限 | なし | なし | 3000万円 |
| 信託財産の種類制限 | なし | なし | ①現金のみ ②現金+自宅不動産 |
| 面談方式 | 訪問面談・来社面談・オンライン | 訪問面談・来社面談・オンライン | 平日オンラインのみ |
| 無料相談時間帯 | 平日10:00~19:00 | 平日10:00~18:00 | |
| 対応エリア(拠点数) | 日本全国(14) | 日本全国(4) | |
| 専用アプリ | あり | あり | |
| 信託監督人の無償提供 | なし | あり | |
| セミナー | あり | あり | |
| 営業日 | 平日 | 平日 | |
| 仕事のスピード | 速い(最短2週間) | 速い | |
| 会社設立 | 2020年10⽉30⽇ | 2019年11月 | |
| 代表取締役 | 磨和寛 | 三橋 克仁 | |
| 資本金 | 18億2988万円(2023年12月現在) | 1億円 | |
| 役職員数 | 約198(2025年11月) | 45 | |
| 関連会社 | 株式会社従業員承継パートナーズ トリニティ・アセットクリエイト株式会社 | ファミトラリアルティ | |
「おやとこ」と「ファミトラ」の商品設計は対照的です。
- 「おやとこ」は、非常にシンプルな商品設計になっていて、ワンプランしかありません。
- 「ファミトラ」では、スタンダードプランとライトプランの2プランから1つを選択します。
気になる質問
- おやとこはホームページで家族信託の費用を安く抑えるコツとして、不動産のみ信託する方法を紹介しています(https://trinity-tech.co.jp/oyatoko/column/20)。その場合、銀行口座はどうなりますか?何かいい方法はないですか?
-
不動産のみを家族信託し、預金に対し何の対策も行わなかった場合、銀行は口座名義人が認知症であることを把握すると口座は凍結されます。
口座預金に対する認知症対策として、代理人届出制度を利用する方法があります。
詳しくは
👉口座凍結を防ぐ事前対策①代理人届出制度 - 銀行口座に対する認知症対策として代理人届出制度を利用せず家族信託を利用するメリットはどこにありますか?
-
一部の銀行や信用金庫が行っている代理人届出制度を利用すれば、預金者が認知症を発症した後でも、あらかじめ届け出ておいた代理人が預貯金の出し入れを行うことができます。
しかし、たとえば金銭管理に不安のある子が代理人になった場合、預金の使い道を巡って家族間でトラブルになることもあります。
家族信託であれば、「何のために、どのようにお金を使うのか」を事前に決めておけるため、不正利用や誤解を防くことができ、他の家族も安心しやすくなります。
また、本人死亡後の財産管理や分配方法まで決めておくことも可能です。 - では、受託者に金銭管理に不安がある場合、おやとことファミトラではどちらがより有効ですか。
-
おやとことファミトラは、どちらも受託者以外の親族がスマホの専用アプリのアカウントを持つことが可能で、アプリにより信託契約後の帳簿管理や信託財産の状況確認ができるようになっています。
その一方でファミトラは、契約後の運用サポートの一環として信託監督人サービスを無償で用意しており、受託者の運用状況をよりチェックしやすい体制を取っています。したがって、受託者の金銭管理に不安がある場合は、家族内のチェックに加えて第三者的な監督機能を持たせやすいファミトラの方が、より安心感を得やすい可能性があります。
まとめ
以上、「おやとこ」と「ファミトラ」の詳細な比較を行ってきました。
- 料金に関しては、「おやとこ」がコンサルティング費用・契約書作成費用が割安で、「ファミトラ」(スタンダードプラン)よりお安くなります。
ファミトラの場合、ライトプランを選べばお安くなります。 - 面談方法に関しては、両者の拠点数の違いを反映して、「おやとこ」は訪問面談とオンラインをともに重視している一方、「ファミトラ」はオンライン面談を重視。
- 継続費用を支払う対価として、「おやとこ」は専用アプリが充実している一方、「ファミトラ」では更に信託監督人が無償でつきます。
- 仕事のスピードに関しては、どちらも迅速に対応されるものの、すでに認知症が始まっているなど緊急を要する場合は、「おやとこ」は「ファミトラ」に比べて、より迅速に対応される可能性があります。
以上いろいろ比較してきましたが、相性が合うかどうかも大事です。
無料相談で話を聞いてみたり、無料セミナーに参加してみて、より自分に合っているかな、と感じるところを選ばれるのも一法です。
おやとこが「自分の家庭に合うか」を無料で確認できます
「うちは家族信託が必要なのか分からない」
「まだ具体的に決めていない」
そんな段階でも相談して問題ありません。
家族信託は、すべての家庭に必要な制度ではありません。
資産の内容や家族構成によっては、他の方法の方が適している場合もあります。
だからこそ、「本当に自分たちに家族信託が必要なのか」を
契約前に専門家へ相談しておくことが大切です。
「おやとこ」では、司法書士と連携した体制のもと、
家族構成や資産状況を踏まえて
家族信託が適しているかどうかを無料で相談できます。
※相談後に必ず契約する必要はありません
※「話を聞くだけ」で終了する方も多くいます
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