勉強にはコツがあります。
ゴロを活用することもその一つ。
中一の歴史で覚えた「なんと立派な平城京」「鳴くよ(泣くよ)ウグイス(坊さん)平安京」などは、何十年も経った今でも忘れていません。
紹介している語呂合わせは、すべて筆者が作成したオリジナルゴロです。
正確な知識の蓄積は、薬剤師のモチベーションのUP、やりがいにもつながります(˶′◡′˶)
MATEを阻害する薬の覚え方、ゴロ
腎機能が悪くなったわけではないのに、血清クレアチニン値が上昇している。
そんな場合は、トランスポーターの1つであるMATEを阻害する薬が投与されていないか確認してみます。
MATEを阻害する薬剤とゴロ
待て!プロのスターは温暖な知人あてにすな!
待て → MATE
プロ → プロベネシド
スター → ST合剤
温暖 → オンダンセトロン
知人 → ファモチジン>シメチジン>ラニチジン
あて → アテノロール
MATEとは
尿細管上皮細胞の尿細管側に発現するトランスポーターの1つ。
細胞外から細胞内へのプロトン(H+)移動と同時に、カチオン性薬剤を細胞内から細胞外へ汲み出します。
有名なP糖タンパク質もMATEと同じく尿細管上皮細胞に発現し、尿細管上皮細胞内から尿細管側に汲み出します。
P糖タンパク質は、主に分子量1000以上の高分子を認識するのに対し、MATEは分子量100~1000程度の比較的低分子の有機カチオンを基質として認識します。
ただし、MATEの基質認識能はP糖タンパク質と同様に極めて広く、双極性のセフェム系薬や、アシクロビルなどのアニオン性薬剤まで及びます。
MATEとクレアチニンとの関係
クレアチニンは、尿細管腔から尿細管上皮細胞へはMATEを介して、尿細管上皮細胞から腎血管へはOCTを介して尿細管分泌を受けます。
よってMATEが阻害されると腎機能が悪化したわけではないのに、見かけ上血清クレアチニン値(SCr)が上昇します。
ST合剤については、投与前後で血清クレアチニン値とシスタチンCの両数値の上昇が52.6%の患者に認められ、実際に腎機能が悪化したとの報告もあります。
MATE阻害薬に影響を受ける基質
MATE阻害薬 | 影響を受ける基質 |
---|---|
①血中濃度上昇(腎排泄低下=薬効・副作用増強) | |
シメチジン | メトホルミン、バラシクロビル、アシクロビル、フェキソフェナジン、プロカインアミド、バレニクリン |
プロベネシド | バラシクロビル、アシクロビル |
ドルテグラビル、ビクテグラビル | メトホルミン、ピルシカイニド |
ST合剤 | メトホルミン、ラミブジン、ガンシクロビル、バルガンシクロビル |
アテノロール | メトホルミン |
②血清クレアチニン値上昇 | |
シメチジン、ドルテグラビル、トリメトプリム(ST合剤) | クレアチニン |
③腎組織中の薬物濃度上昇(腎毒性誘発) | |
MATE阻害薬 | シスプラチン、オキサリプラチン |
④肝組織中の薬物濃度上昇(肝作用増強) | |
MATE1阻害薬 | メトホルミン |
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