MENU

後見制度支援預金とは?取扱金融機関一覧(銀行)|口座開設費用と問題点を解説します

2000年に成年後見制度が発足した後、弁護士・司法書士などの専門職後見人や親族後見人による不正横領事件が相次ぎました。

これを防止する目的で、2012年後見制度支援信託、2018年後見制度支援預金が相次いで制度化。

家庭裁判所もこの仕組みの利用を促しています

この記事では、後見制度支援預金を提供している全国の銀行を紹介し、併せて口座開設費用と管理手数料についてお知らせしています。

後半では、後見制度支援預金創設の背景やその問題点について解説しています。

目次

後見制度支援預金を取り扱っている銀行

全国銀行一覧

現在、後見制度支援預金を提供している金融機関は銀行、信用金庫、信用組合などで、多数あります。

ここではその内、銀行を一覧掲載します(令和6年6月現在)

JA ・都銀・ゆうちょ最低預入金額口座開設費用(税込)
JAバンクグループ1円各JA の取り扱いによる預金型
みずほ銀行500万円5,500円預金型
三井住友銀行1円なし預金型
三菱UFJ銀行1円16,500円預金型
東京スター銀行1円なし預金型
あおぞら銀行500万円55,000円預金型
ゆうちょ銀行1円11,000円預金型
北海道・東北地区最低預入金額口座開設費用(税込)
北洋銀行(北海道)300万円11,000円預金型
北海道銀行1円11,000円預金型
青森銀行11,000円預金型
七十七銀行(宮城)1円11,000円預金型
秋田銀行1円11,000円預金型
岩手銀行1円11,000円預金型
山形銀行1円11,000円預金型
東邦銀行(福島)1円11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
大東銀行(福島)なし預金型
関東地区最低預入金額口座開設費用(税込)
東和銀行(群馬)300万円11,000円預金型
足利銀行11,000円預金型
武蔵野銀行(埼玉)1円165,000円+3,300円/月(管理手数料)信託型
千葉銀行1円165,000円+3,300円/月(管理手数料)信託型
京葉銀行(千葉)1円11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
神奈川銀行11,000円預金型
山梨中央銀行1円11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
北信越地区最低預入金額口座開設費用(税込)
大光銀行(新潟)1円5,500円預金型
北陸銀行(富山)1円11,000円預金型
富山銀行1円11,000円預金型
福井銀行1円55,000円預金型
福邦銀行(福井)1円55,000円預金型
八十二銀行(長野)1円55,000円預金型
長野銀行なし預金型
東海地区最低預入金額口座開設費用(税込)
愛知銀行1円11,000円預金型
中京銀行(愛知)1円なし預金型
名古屋銀行11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
百五銀行(三重)1円11,000円預金型
三十三銀行(三重)1円11,000円預金型
十六銀行(岐阜)1円11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
大垣共立銀行(岐阜)1円11,000円+1,100円/取引回預金型
静岡銀行1円11,000円預金型
スルガ銀行(静岡)1円11,000円預金型
静岡中央銀行1円なし預金型
清水銀行11,000円預金型
関西地区最低預入金額口座開設費用(税込)
池田泉州銀行(大阪)11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
りそな銀行(大阪)1円165,000円+3,300円/月(管理手数料)信託型
京都銀行1円165,000円+3,300円/月(管理手数料)信託型
紀陽銀行(和歌山)1円11,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
中国・四国地区最低預入金額口座開設費用(税込)
山陰合同銀行(島根)1円5,500円+3,300円/年(管理手数料)預金型
中国銀行1円33,000円信託型
広島銀行1円11,000円預金型
もみじ銀行(広島)1円22,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
山口銀行1円22,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
阿波銀行(徳島)なし預金型
徳島大正銀行16,500円預金型
愛媛銀行1円なし預金型
伊予銀行(愛媛)1円11,000円預金型
百十四銀行(香川)1円33,000円+110円/回(管理手数料)預金型
高知銀行1円11,000円預金型
九州・沖縄地区最低預入金額口座開設費用(税込)
西日本シティ銀行(福岡)33,000円預金型
北九州銀行1円22,000円+3,300円/年(管理手数料)預金型
大分銀行1円33,000円預金型
佐賀銀行1円11,000円+5,280円/年(管理手数料)預金型
肥後銀行1円11,000円預金型
鹿児島銀行1円11,000円預金型
琉球銀行1円11,000円預金型
沖縄銀行1円なし預金型

口座開設費用口座管理手数料

口座開設費用は銀行によって異なり、無料~165,000円

口座管理手数料は多くの銀行で発生しませんが、毎年手数料がかかる銀行もいくつかあります。

りそな銀行、千葉銀行、京都銀行、武蔵野銀行では毎月3,300円の口座管理手数料がかかります。

後見制度支援預金とは

後見制度支援預金とは

「後見制度支援預金」とは、本人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭だけを後見人が管理し、通常使用しない金銭を銀行等金融機関に預け入れてブロックし、家庭裁判所が発行する指示書がなければ引き出しできないようにしたものです。

近年、特に500万円以上の現金や預金がある場合、家庭裁判所はこの制度の利用を促しています

具体的に言うと、

仮にご本人の預貯金が5000万円あったとすると、本人の当面の生活に必要ない4500万円は、新たに別口座を開設してそこに移し、家庭裁判所の許可(指示書)がなければ引き下ろしできないようにする。

残りの500万円は手元の通帳に残して家族や親族の方が管理し、ご本人の日常生活のために使う。

というものです。

参照:厚労省 後見等事務を適切に行っていただくための仕組 | 成年後見はやわかり

制度創設の背景

出典:最高裁判所事務総局家庭局 実情調査

認知症発症前に何ら対策をとっていなかった場合、口座凍結を解除するには、従来は成年後見人をつけるしかありませんでした。

その成年後見制度は、毎年多額の報酬が発生することに加えて、管理財産を横領するなどの不正事案が相次ぎました。

令和5年では、被害件数で184件、被害総額で約7億円の不正事案が起こっています。

そこで、このような後見人による不祥事を予防のために考案されたのがこの制度です。

まず2012年2月に後見制度支援「信託」が導入されましたが、信託銀行が近くになかったり、信託銀行になじみがなく抵抗があるという難点がありました。

そこで2018年6月、銀行、信用組合、信用金庫などに預け入れする後見制度支援「預金」が始まりました。

参考:後見制度支援預貯金・後見制度支援信託等導入状況(金融庁)

後見人に支払う費用

以前は信託銀行に預け入れる後見制度支援信託が主に行われていて、その場合、大口口座開設のために専門職後見人が選任されていました(20万円程度の報酬が発生)。

しかし、銀行や信金に預け入れる後見制度支援預金ではそのような運用はなされていないようです。

後見制度支援預金の問題点

  • 法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3類型がありますが、このうちの「後見」に該当しないとこの制度を利用できません
  • 支援預金を引き出すには家庭裁判所の指示書を得なければならず、機敏な対応がなされるかどうかは問題があります。
    厚生労働省のホームページ上では「本人のために急に多額の金銭が必要となることもありますので、家庭裁判所では、指示書を迅速に発行するように配慮しています。」とは記載されています。
  • ほとんどのケースで専門職後見人が選任されずに運用されていますが、場合によっては専門職後見人が選任されます。
    その場合約20万円の報酬が発生します。
  • 支援預金口座の開設費用は、金融機関によってバラツキがあり、最も高い銀行で165,000円の開設費用がかかります。
    また、毎月の管理手数料がかかる銀行があります。
  • 自宅の売却など不動産の取引は、この制度では解決できません。
    本人がまだ元気な間であれば家族信託を行うか、認知症発症後であれば成年後見人をつける必要があります。

認知症対策に不動産を含めるなら家族信託・生前贈与が有効

不動産を含まない金銭・預金のみの認知症対策であれば、大手の銀行・信金が提供している代理人届出制度や信託銀行が提供している信託商品が有効ですが、不動産の対策を含めるなら家族信託や生前贈与が有効な選択肢です。

  • 高品質かつ業界随一5.5万円からの低価格
  • 信託組成後も各種相談・困り事に真摯に対応
  • サービス満足度96%2023年8月自社顧客調査結果)
  • 無料電話相談を行っています。
     0120-214-097

\ご家族に寄り添ったサポート、サービス満足度96%/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次